〈参考抜粋〉(株)ウチダ和漢薬 生薬の玉手箱
漢方薬処方を構成している生薬は、天然の野生品に由来しています。
しかしすでに野生品が涸渇している生薬もあります。
朝鮮人参もその1つですが、
漢方処方の7割に使われる甘草は、現在野生原料です。
日本で使われる漢方処方のの甘草の99%は中国産で日本産はゼロです。
日本においても、野生資源に依存している生薬の栽培化も進められていますが、
日本薬局方で甘草のグリチルリチン酸2.0%以上と規定されているため、
その基準を満たす栽培による甘草の供給が難しい状況です。
漢方処方の生薬は甘草だけでなく、
ほとんどが中国からの輸入であり、多くは天然資源です。
資源の減少や砂漠化防止のための採取がますます厳しく制限されていきます。
日本でも生薬の栽培の成果が挙げられておりますが、
安定して医薬品原料となる基準に適合することが難しいようです。
栽培生産者の立場としては、
甘草や朝鮮人参は食品としての利用もされているため、
医薬品の規格に適合しないものは、
食品にという選択肢がありますが、
せっかく栽培した生薬が医薬品原料には出来ず、
食品利用もなく、無駄になるということもあるのでしょうね。
大量に合成製造される新薬と、
漢方薬は、
同じ薬でも、全く違うということですね。
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